顎の関節が痛くなり、口が開かなくなってしまった患者さんです。
まずは痛みを取り、口を開けられるようにした後、噛み合わせ総合検査を行いました。
噛み合わせの高さが低く、下顎が後ろにずれ、顎関節を圧迫し様々な症状が出ていました。
このようなケースでは、マウスピース(バイトプレート、スプリントなど)や顎関節周囲組織の手術などを行う場合がありますが、これらは根本的な治療にはなり得ません。ましてや鎮痛剤の投与のみで経過観察など消極的な治療?もよく見られます。
この患者さんは、矯正治療で個々の歯の位置不正を治すと共に、噛み合わせの高さを上げ、下顎を前方に適応させました。
治療前:上の前歯が下の前歯を大きく覆っており、ほとんど隠れています。
治療後:下の前歯がはっきり見えています。噛み合わせ全体を高くしたからです。
治療前:下顎が後退しているため、相対的に出っ歯に見えてしまいます。
治療後:下顎を前方適応させ、顎関節の機能も正常になりました。
下顎が後方に行かない、行っても悪影響が出ないようにするために4番目と6番目の歯が働いています。
一般的な矯正治療ではこの4番目の歯を抜歯する事が多いのですが、それでは下顎を本来あるべき位置に保持出来なくなってしまいます。
もちろんこのケースでも親知らず以外の歯は抜歯をしていません。